「リベロって何?」
「どんなポジション?」
「今は使われてる?」
「代表的な選手は誰がいる?」
聞いたことはあるけど、はっきりどんなポジションかは分かりにくいリベロ。
サッカーの進化によって生まれた特徴的なポジションです。
今回はリベロの生い立ちから役割、代表的な選手まで紹介します!
リベロとは、現代サッカーにおける『センターバック』に当たります。
しかし、単なるセンターバックではなく、ピッチ全体を自由に動くポジションです。
リベロという言葉は、イタリア語で「自由な人」を意味しており、自由に動くプレースタイルから名付けられたポジションであると言えます。
また、バレーボールにもリベロというポジションがあります。
バレーボールでは、1人だけ違う色のユニホームを着た守備専門の特別なポジションです。
サッカーにおけるリベロも、バレーボールほどの違いはないものの、他とは異なる特別な立ち位置にあります。
主な役割は、カバーリング、ゲームコントロール、攻撃参加です。
具体的には、守備時はセンターバックとしてディフェンスラインのカバーリングが求められます。
つまり、味方が相手フォワードをマークし、そのカバーリングをしながらディフェンスラインを統率します。
このような相手フォワードをマークする守備専門の選手は「ストッパー」、カバーリングをする守備専門の選手は「スイーパー」と呼ばれます。
すなわち、リベロは守備時に「スイーパー」の役割を担います。
ちなみに、ディフェンスラインの前にポジションを取る守備のスペシャリストを「アンカー」と呼びます。
一方、攻撃時はディフェンスラインからパスを供給するというセンターバックの役割以外にも多くの仕事が求められます。
時には中盤に加わってゲームを組み立てるボランチのような動きや、最前線で得点に関わるフィニッシャーのような動きも必要です。
そのため、リベロはピッチ上の様々な場所でプレーします。
こうした守備と攻撃両方の役割を担うのがリベロです。
では、どのようにしてこのポジションは生まれたのでしょうか?
結論としては、西ドイツのベッケンバウアーという選手が確立させたポジションであると言えます。
1970年代のサッカーは、攻撃をする選手と守備をする選手で役割が分かれていました。
つまり、全員で攻撃して全員で守備をするという現代サッカーとは異なります。
しかし、当時ベッケンバウアーは守備の選手であったにも関わらず、攻撃のセンスも持ち合わせていたため、後方からパスをつなぎ、ゲームコントロールをして、シュートも打つという新たなポジションを生み出したのです。
1990年代に3バックのフォーメーションが多く取られるようになります。
理由としては、3バックはリベロが最も活きるフォーメーションだからです。
具体的には、相手フォワード2人に対して、3バックのうち両サイドの2人がマンツーマンで対応します。
余った中央の1人がリベロとなり、守備時にはカバーリング、攻撃時は積極的に前線へと出ていきます。
この時、2人のセンターバックが後方に残るため、リスクはそれほど高くありません。
つまり、3バックのうち、2人が守備のみ、リベロの1人が守備と攻撃の両方を担当するのです。
守備の選手ではあるが、攻撃も得意である選手がいるチームにとっては多くのメリットがある戦術であると言えます。
しかし、時代の変化とともにリベロを置くチームはなくなっていきました。
主な理由は「ゾーンディフェンス」が採用されるようになったからです。
なぜゾーンディフェンスが採用されるようになったのでしょうか?
簡単に言うと、マンツーマンディフェンスでは対応できなくなってしまったからです。
まず、リベロへの対策として3トップを採用するチームが出てきました。
これにより、リベロがマークにつく必要があるため、攻撃参加がしにくくなります。
さらに、マンツーマンディフェンスは自分のマークについていかなければなりません。
そのため、意図的にゴール前から離れてセンターバックを釣り出そうという戦術が取られるようになりました。
すなわち、ゴール前にスペースを作られてしまうことが多くなったのです。
こうしたことから、サイドバックを置いた4バックのシステムを採用し、自分の守備範囲に入ってきた選手をマークするという守り方に変わっていきました。
また、プレースピードが上がってきていることや、リベロ1人への負担が大きすぎることもリベロが採用されなくなっている理由として挙げられます。
リベロとしてプレーした選手には名選手が多くいます。
ここでは有名で代表的な選手を紹介します!
フランツ・ベッケンバウアー(西ドイツ)
リベロのポジションを確立させた選手。
最後尾で味方選手を操り、自らも積極的に攻撃参加するプレーが特徴。
味方を鼓舞する堂々とした姿とローマ皇帝と同じファーストネームであったことから「ドイツの皇帝」と呼ばれていました。
選手としてだけでなく監督としても成功を収めていることから、高いサッカーIQの持ち主であることが分かります。
彼が背番号5番をつけていたことから、5番はディフェンスリーダーを象徴する番号となってきました。
ルート・フリット(オランダ)
ゴールキーパー以外ならどこでもこなせるオールラウンダー。
スピード、フィジカル、テクニックを全て兼ね備えています。
プレー面でも、特徴的なドレッドヘアでもエンターテインメント性を持ち合わせています。
1987年には、世界一のサッカー選手に贈られるバロンドールにも輝いています。
ローター・マテウス(ドイツ)
優れたキャプテンシーとチームに貢献するという強い信念を持っていたことからゲルマン魂の象徴とされました。
最強とも言われる優れた守備能力を評価され「エースキラー」の異名を持っていました。
ドイツ代表として5大会連続でワールドカップに出場し、1990年にはキャプテンとして優勝に導いたドイツサッカー界の伝説として崇められています。
長谷部誠(日本)
8年もの間キャプテンとして日本代表を引っ張ってきた選手。
3大会連続でワールドカップに出場しており、キャプテンとしての代表キャップ数は歴代1位。
ブンデスリーガ(ドイツ1部リーグ)におけるアジア人最多出場記録も持っていて、今も現役で活躍しています。
2017〜2018シーズンにはフランクフルトでリベロを担当しました。
今回は「リベロ」について紹介しました!
現在はなかなか見られないポジションなので斬新だと思った方もいると思います。
昔活躍したリベロが沢山いるので、一昔前の試合を見てリベロがどんなポジションなのか知るのも良いかもしれませんね!
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