「好きなスポーツを仕事にしたい。ただ、実際稼げないから……」
このように夢を諦めてしまう方、きっと少なくないと思います。「好きなことで稼ぐ」というのは、決して簡単なことではないし、それを実現している方もそう多くはないでしょう。
今回お話を伺ったのは、20歳のときに岩手から上京してきた、ALPHA FOOTBALL ACADEMY JAPANで活躍されている及川林貴さん(26歳)。お馴染みスポジョバ採用ファイルとして、彼のこれまでを振り返ります。実業団でキャリアを終えた彼が、東京に出てきた理由とは?さまざまな経験をへて感じた、自分の価値観とは?そこには、「好きなことで稼ぐ」ための最大のヒントがありました。
(取材:構成=スポジョバ編集部 小林亘)
__及川さんはサッカー強豪校と言われる、岩手の名門・遠野高校の出身とお伺いしました。改めて、今はサッカーコーチをALPHAさんでされていると思いますが、現在に至るまでの経緯をザックリ教えていただけますか?
及川:事前に調べていただいて恐縮です。そうですね。高校時代は2年生からレギュラーとして出させていただいて、そのあとは地元の実業団を持っている企業(工場)で、サッカーをさせてもらいながら仕事をしていた感じです。ただ、自分が20歳の時にそこを辞めたんです。もっと色んな世界を見たいとか、サッカーだけで食べていくのは難しいっていう想いもあったんですけど、当時はなにより「東京に出て一攫千金したい」っていう気持ちが強くって(笑)
__一攫千金ですか?(笑)
及川:小学生みたいなこと言ってすみません(笑)。でも、ずっと岩手にいたので、都会への憧れみたいなものがあったんです。それでとりあえず東京に出てきたはいいものの、何をしたらいいか全くわからなくて(笑)。とはいえ、警備員とか岩手にはない色んな仕事を経験できて、新たな発見もあったので、それはそれでよかった。ただ、サッカーがない生活に不安もあって。
__不安、と言いますと?
及川:ずっとサッカーしかやってこなかったので、サッカーをやっていない時間や、身体を動かしていない自分が違和感で。東京に出てきたとはいえ、サッカーには携わりたいという気持ちがやっぱりあって。それで、前職にあたるサッカースクールで働き始めた形です。
__なるほど。ちなみに、それこそ「サッカー」と言っても様々な関わり方があるとは思うのですが、スクールを選んだ理由も教えていただけますか?
及川:僕の場合は、スクールであれば指導という立場ですけど、一緒に身体を動かしながらサッカーができる楽しさはきっと味わえるだろうと思って。もちろんクラブとかも考えなかったわけではないんですが、スクールのほうがより直接的に関われるし、自分もサッカーできるし、という思いでした。ただ、働けば働くほど「この仕事を一生やっていくのって、現実的に難しいのかな」と悩んでいたのも、正直なところではあります……。
__サッカーだけではなく、野球もバスケも「コーチ」という仕事で一生食べていくのは、中々に厳しい仕事だなと私も色んなお話を聞いてきて思います。その悩みを、及川さんはALPHAさんへの転職を通じて解消したわけですね?
及川:最初「一攫千金」という話をしましたけれど(笑)。僕の場合は、やっぱりサッカーを仕事にして楽しかったんですね。でも、現実問題厳しいっていうのもわかっていました。ただ漠然と「サッカーで飯を食べられたらな」なんて考えていたところに、ALPHAが独立支援をしているっていうことを知って「ココなら自分の夢が叶うんじゃないか?」と思って、転職した形です。それに前職のスクールは、いわゆるビギナーの子たち、これからサッカーを好きになるっていう子たちが多かったんですね。だからこそALPHAに通うような「Jクラブを目指している子どもたち」に指導してみたいなっていう気持ちが少しずつ芽生えていたので、もっと視野も広がるだろうと思って転職を。
__コーチとして一生食べていくために「独立」という道を選ぶことで、ご自身の悩みを解決しようと尽力されているわけですね。
及川:もちろん簡単なことではありません。ただ、ALPHAでは練習メニューの作り方をはじめ、次の店舗をどこに構えるかといった事業計画などまで学べています。それこそ僕も自分の独立に向けて、場所決めや資産決めをしないといけないわけですけど、その辺りのサポートも代表がしてくれる。その上で、プライベートなことですけど結婚とか生活のこととか、私の身の回りのことまで心配して色々スキーム作りを手伝ってくださるので、本当にありがたい働き方ができているなと……。
__そこまで相談に乗ってくださるのは嬉しいですね。。。
及川:目標への熱意とか、諦めない気持ちがあれば絶対夢は達成すると思うんです。僕は周りに恵まれて、その目標を叶えられそうな環境にいることができて、本当に幸せです。あとはシンプルに下積みを頑張ること。目標達成を難しくしちゃってるのは自分だと思いますから、選択した道をやりきろうって強い気持ちで、今は毎日頑張っています。
__素晴らしいですね!少し話は戻りますけれど、ALPHAさんはいわゆる「プロを目指す」ようなレベルの高い子どもたちが多いとも伺っています。前職と比べて、指導する子どもたちが変わって、及川さんに何か変化はありましたか?
及川:今年の4月からALPHAで働き始めて、ようやく「及川コーチ!」って子どもたちも呼んでくれるようになったんですけれど、やっぱり声をかけてくれる回数とかレベルは高いなって思います。それこそ教えたことにアレンジを加えて「こんなこともできるようになったぜ」なんて声かけをしてくれる子もいますし(笑)。本当に楽しく働けてもらっています。変化で言うと……改めて、サッカーを「はじめたての子」に教えたいなって気持ちになってるってことでしょうか。
__あ、そうなんですか!
__てっきり、プロを目指す子どもたちに対する指導をしていきたいのかと思っていました。
及川:いま、レベルの高い子どもたちと一緒にサッカーをしていて、すごく楽しいんですけれど、この楽しさを「これからサッカーを始める子たち」にも味わってほしいって気持ちがあるんですよ。自分が今経験していることを、初心者の子たちに落とし込んで、もっと上手い子、プロを目指せるような選手に育てることが、僕がやっていきたいことっていうのもALPHAで働いて明確になってきました。
__それこそ視野が広がった結果、自分の価値観が明確になったわけですね!
及川:だからこそ、自分が独立してスクールを開いたときは、初心者校をメインとしつつ、スペシャル校じゃないですけど、上手い子たちの育成にも力を入れていきたいって思っています。これは間違いなくALPHAを通じて見えた世界だなって実感しています。本当にココに入ってよかったって思いますね。
__これまで及川さんが経験したことすべてが、その事業に集約されるとなると、非常に楽しみです。前職で学んだ子どもたちの心の掴み方と、ALPHAでスキルUPの仕方まで武器で持っていたら、まさに鬼に金棒だと思いますし!
及川:でも、それは本当に環境のおかげです。先輩たちとは常に話し合いの連続で、試合がどうで、こういうところが良かった、ここはダメだった。じゃあ次はこういうテーマで練習しよう。もっとこうしたら?って話し合いが絶えないんですよね。ホント、毎日刺激をもらっていますし、サッカーが好きな人ばかり集まってて、毎日が充実しています。
__まさに業界のA代表が集まるような場所、ということですね!ちなみに、先輩たちからしてもらったことで、及川さんが心に残っているエピソードはありますか?
及川:やっぱり代表(大泉さん)です。僕の将来について、こんなに真剣に考えてくださる方って、今まではいませんでしたし、その道筋を作ってくださっているのは本当にありがたい。独立もそうですが、彼女との結婚とか、大枠でいうと人生について相談できる方って中々いないじゃないですか。だからこそ感謝してもしきれない。一応、来年の4月までには、新しくスクールを開講して軌道に乗せたいって具体的な目標もできたので、そこまで一緒に話して手伝ってくれる代表には、頭が上がりませんよ。
__私も初対面のときから、大泉さん(代表)のお人柄の良さは感じています。身近にいたら、これ以上心強いことはないんじゃないかと。
及川:だからこそ、大泉さんから盗めるところは盗みたいなって思っています(笑)。練習メニューの作り方から子どもたちとの接し方、スクールの運営の仕方など、できる限り模範して、その上で最終目標である独立を実現して、自分のオリジナリティを出していきたい。そのための下積みを頑張らせていただいてるここにも、しっかり恩返ししたいですね。
__具体的でありすぎるが故にお伺いしたい。改めて、及川さんの今後の目標は??
及川:考えているのは、30歳までには独立(現在26歳)。一旦4月を目標にはしていますが、下積みがどれだけ長くなるかはわからないですし、代表も無理に独立させようとは思っていないと言ってくれましたので、とにかく今の下積み期間を頑張りたい。ただ、30歳っていうのは1つの区切りであって、仮にそこで独立できなかったとしても、ALPHAを大きくするっていう代表のミッションには、ずっと携わっていきたい気持ちです。
__本当に素晴らしいと思います。何よりも及川さんご自身の、最初ぼやーっとしてた目標がALPHAに入って具体的になって、道筋も見えてきたのが凄い。改めて、ALPHAの魅力について、及川さんから一言いただけますか?
及川:そうですね。求めるものは高いかもしれないんですけど、でも子どもたちは確実に上手くなっているということを実感できるスクールだと思います。それに私たちコーチ陣も、子どもたちにわかりやすく練習を伝えて一緒にプレイすることで、同じように成長できる環境かなって。「サッカーを一生の仕事にしたい」と思っている人の目標が、独立じゃなくても明確になるような、そんな環境であり魅力があるのがALPHAだと思います!
__コメントが最高すぎて編集要らずですね(笑)では最後に、「サッカーに携わり続けたい」と考える若者に、メッセージを!
及川:やっぱりサッカーでご飯を食べていくことや、そもそもスポーツ業界で働くこと自体も、最初は難しいかもしれません。でも、自分の目標を叶えられそうな場所で、何ができるかを考えて行動すれば、それは難しいことでもなくなると思います。ALPHAの話で言うと、代表から学べることは本当に多くって、指導者が未経験の方でも心配することはないと思います。僕は独立支援があることで、その道に行こうとしていますが、それ以外のどんな相談事にも代表は乗ってくれる方です。不安もあるとは思うんですけれど、働いている内に解消できると思いますから、まずは一度、当社の門を叩いてほしいなって思います!
__成功者の近くで学ぶことが、間違いなく最短ルートですからね!及川さん、本当に今日はありがとうございました!独立したら、また取材させてください!
【PROFILE】
及川 林貴 (おいかわ しげたか)
岩手県の名門・遠野高校出身。小学校3年生から競技を始め、同高には中学時代の先生の推薦により入学。2年生からレギュラーを勝ち取り、全国大会も経験した。ポジションはDF。卒業後は実業団チームを持つ地元企業(工場)で、日中は働き夜に練習、休日は試合というデュアルキャリアを2年ほど経験した後、東京への上京を機にキャリアに幕を閉じた。上京後は「一攫千金」を夢見て様々な仕事に就いたものの、最終的には「またサッカーがしたい」と思い、スクールで働き始めた。このスクールはいわゆる初心者向けのもので「もっとレベルの高い子どもたちに教えたい」「将来的には独立したい」という気持ちから、現在のALPHA FOOTBALL ACADEMY JAPANと出会い転職。池袋校・阿佐ヶ谷校・セレクションゲームクラスの担当と提携チーム『ウナ・プリマヴェーラFC』の指導も携わりつつ、目標に向けて着々と準備を進めている。
転職してご自身の時間が増えたとのことで、最近は料理を楽しむ日々を送っている。生地からナンをつくったり、ルーをつかわずにカレーをつくったりと、サッカー以外でも挑戦を続けている。
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