「ファッション」がスポーツ界を救う?スポンサー企業の新たな挑戦

スポジョバ編集長 久下真以子

「ファッション」がスポーツ界を救う?スポンサー企業の新たな挑戦

スポジョバ編集長 久下真以子

オシャレに興味のある若者なら、一度は聞いたり着たりしたことがあるだろうブランドを展開する「株式会社アダストリア」。3年前からはBリーグの「茨城ロボッツ」とスポンサー契約を交わし、スポーツで新たな事業を展開しています。

「スポーツチーム」と「スポンサー」は切り離せない関係だけど…一体スポンサーってどうやって取り付けるの?スポンサーになったあとはどんなことを展開するの?知っていそうで知らない裏側を、担当の山田一成さんに聞いてみました。

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ファッション企業がなぜ参入?スポーツへの縁は「ゼロ」


ーーまず、アダストリアの事業内容を教えてもらってよろしいでしょうか?

山田:我々は「GLOBAL WORK」「niko and ...」「LOWRYS FARM」といった約20ブランド以上、約1400店舗を構えているカジュアル専門ブランドです。「ファッションと人生を楽しむ」、「ワクワクを皆さんに届ける」というのをミッションとして展開している会社です。他にはジュエリーやコスメ、下着、飲食なども取り扱っていますので、非常に幅広く、皆さんのライフスタイルにあわせたご提案ができる会社です。

ーー私も御社のブランドの服、めっちゃ着ます!(笑)でも、もともとはスポーツに縁のなかった会社ですよね?

山田:はい、全くスポーツに縁のない会社ではありました。

ーーBリーグが開幕した2016年からは、「茨城ロボッツ」のスポンサーになっています。きっかけはなんだったのでしょうか?

山田:今でこそ渋谷にオフィスを構えていますが、元々の創業は1953年に水戸で始まったんです。我々の会長が水戸出身で、創業の地でもある水戸に対してあらゆる貢献をしていきたいという思いから始まりました。






「見た目」だって、スポーツの立派な要素。アダストリアのユニフォーム改革


ーー水戸とご縁があってのことだったのですね。スポンサーというと、具体的にどのようなことをしていくのでしょうか。

山田:まずはユニフォームの胸の部分にスポンサー名を入れさせてもらっています。それ以外ではチームと弊社がお互いの価値をどう高めていくか、選手だけではなく企業の価値もどう上げていけるかということをお互いに話し合っている日々です。具体的に言うと、弊社がチームのサードユニフォームのデザインを担当させてもらっています。アダストリアはファッションの会社ですから、我々の持っているデザイン力を生かしてユニフォームをかっこよくしていく。写真の撮り方1つとっても、力強さだけではなく、ファッショナブルに見せる。そういったところでお力添えできる部分があるのではないでしょうか。

ーーユニフォームに白い切り抜き、その上にスポンサーロゴというのが一般的ですが、アダストリアさんの作ったユニフォームは切り抜きを取り払い、「ロゴだけを白抜き」でデザインしています。

山田:もちろん他のスポンサー様のご協力があってのお話なんですけど、ご理解いただいたうえでデザインしました。とにかく見た目の良さを追求したかったんです。関係者からも「アダストリアだからすごくかっこいいよね」とか「本来求めているユニフォームだ」というようなことをおっしゃっていただけたので、我々が関わった意味は非常にあったかなと感じています。

ーー例えば日本中が熱狂したラグビーW杯。私はニュージーランド代表の試合を生で観たのですが、真っ黒なユニフォームがすごくスタイリッシュでかっこよかったです!そうやって、見た目から入ることも多いですよね。

山田:間違いないと思います。ファンの皆さんが見るのは選手個人やプレーのほかに、何を着ているかとか、シューズは何を履いているかとか、それがどうかっこいいかとかは絶対見ていると思うんですよね。色んな部分を皆さんは見ているし、スポーツには色んな楽しみ方があると改めて感じています。






完成時は「子どもが生まれた気分」。新アリーナに込められた細かな工夫とは


ーー今年の4月には、茨城ロボッツのホームアリーナである体育館の命名権を獲得し、「アダストリアみとアリーナ」と名付けられました。

山田:ネーミングライツにはいろんな形があります。アリーナだけでなく、野球場だったり、スタジアムだったり。まずはそれらの適正な価格を調べるところから始まります。他の野球場だったら、いくらで価格提示して落としているのかということです。その次は、我々の会社の名前を露出するとどれくらいの価値があるのかというのを調べ、それらを踏まえ金額の提示をさせていただきました。

ーーそのゴーサインを出す基準ってどこにあるのでしょうか?

山田:もちろん水戸市に貢献をしたいというのが一番ですけど、マーケティング的な立場でいうと、「金額と露出のバランス」です。適正か適正じゃないかというのは皆さんの判断だと思いますが、我々としては適正であるという認識で進めたので、間違いではなかったと信じています。実際、明らかに露出が増えましたし、アダストリアという名前が多く取り上げられたという意味では成功だったと感じています。

ーーアリーナが生まれ変わると決まれば、工事も始まりますよね。山田さんはどんな風に関わっていたのでしょうか。

山田:6ヶ月以上の期間がありましたけど、何度も出入りしました。その中で、体育館全体を見て「どこにロゴを掲げるとより目を引くか」というのは非常に考えましたね。実際に座席に座りながら、ロゴの見え方まで確認して。位置だけでなく大きさについても、お客様の目線を意識しながら、デザインチームと話を進めていきました。

ーー完成した時は、最高の気分だったでしょうね。

山田:なんだか子どもが生まれたような気分でした。出入りしているときはそこまで思わなかったんですけど、出来上がって最初の試合を観に行って、自分の会社の名前を見たときは「ああ、すごく嬉しいな」って感慨深かったです。嬉しさとホッとした気持ちでした。






「与えられる」から「成長しあう」へ。これからのチームとスポンサーのあり方


ーー「スポンサー」への考え方について、日本と海外では違うという話を聞いたことがあります。

山田:おそらく今までの日本の基本的なビジネスモデルとしては、協賛金をもらってチケットをお渡しする、そして応援してもらう、というものでした。海外の考え方は、企業と企業がウィンウィンの関係を作ることを重要視していて、私もその価値観を持っています。我々で言えば茨城ロボッツさんがオシャレなユニフォームを着ることによってイメージが上がる。ロボッツさんが活躍することでアダストリアの知名度も上がっていく。そういう関係値をお互い作っていくことが大事です。

ーーそういう考え方は、山田さんはどこで身につけられたのですか。

山田:前職のナイキジャパンで身につけさせていただいたところが大きいかなと思っています。「表現をしていく」ということは、単体ではなかなかできないことがすごくいっぱいあります。他の力を借りて、自分たちが持っているところをより強くしていく。足りないところも補ってもらうという関係値がお互いにできていったら、スポーツビジネスはもっともっと大きくなる可能性というものを秘めていると思いますし、まだまだ可能性があるんじゃないかと感じています。

ーー実際に茨城ロボッツのスポンサーになって反響もあると思いますが、会社の未来として今後はどういった成長・効果が期待できそうとお考えですか。

山田:時代はどんどん変化しています。健康志向など、スポーツがみなさんにとってかけ離れない存在になってきています。スポーツをするときには、ウエアを着たりとかオシャレをしたいと思っている人もたくさんいます。そういう意味では「スポーツ×ファッション」のポテンシャルは非常に感じますね。例えば、ヨガとかランニングというものにもまだまだ可能性があると思っていますので、そういったところを通して今後も活動出来たらと考えています。


「他業界でスキルを生かすことも、スポーツ業界への貢献」。可能性は∞


ーー山田さんは新卒でスキー用品メーカーの「日本ノルディカ」で営業と広報。その後「ナイキジャパン」でセールスオペレーションやマーケティング、バスケットボールのカテゴリービジネスマネージャーを経て、おととしの12月からアダストリアに転職しています。

山田:アダストリアからは当初「スポーツ分野」ではなく、「コーポレートブランディング」としての仕事の要請をいただいたのです。スポーツ業界で広報を10年くらいやっていいたのでそのスキルを他の業界でも生かせるのではないか、そして自分も新たなチャレンジをしてみたいという思いもあったので、決めました。

ーースポーツ業界をいったん離れたけれど、結果的にスポーツに戻ってきたと(笑)

山田:本当に偶然で、まさかこうやってまたスポーツに携われるのもご縁かなと思います。スポーツ業界で仕事していたものが、他業種でまたスポーツに関われることは、不思議なものを感じます。今後、自分がスポーツでやってきたことをファッション業界で生かせていけば、両方の経験が大きな財産になりますね。

ーー今スポーツ以外の業界にいらっしゃる方も、スポーツ業界で自分のスキルを生かせそうですよね。

山田:企業側がどういった人物を求めているかにもよりますが、ポジションが当てはまれば生かせると思っています。あとは本当にスポーツに関わる仕事ってどこに何があるかわからない。保険会社さんがスポーツに関わっていたりしますし、健康になればその分保険料が安くなるという話も聞いたことがあります。色んな所でスポーツにつなげられる要素は多いので、可能性は無限大なんじゃないかな。

ーー山田さん自身の今後の夢を教えてください。

山田:今はコーポレートブランドをどうやって大きくしていくかということが自分のビジョンです。それ以外でいうと自分がスポーツ好きなので、何らかのメジャーじゃないスポーツや、そのスポーツに関わる人たちをもっともっと知ってもらう機会を作れるような仕事に携われたらというのが、夢です。






【PROFILE】

山田一成

1969年、富山県高岡市出身。1992年に日本ノルディカ株式会社に入社し、セールス・マーケティングを担当。1997年にナイキジャパンに入社。セールスオペレーションやマーケティング、バスケットボールのカテゴリービジネスマネージャーを務めた。2017年、現在の株式会社アダストリアに入社。ラグビーが大好き。





取材させていただいた、アダストリア本社内にあるカフェ「A CAFE」。開放的な空間に健康志向のメニュー、高層階からの眺めにゆったりとしたBGM、読書ができるスペース…ファッション業界ならではのオシャレさでした!

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ファッション業界のアダストリアが、なぜプロバスケットボールチーム(B2)の茨城ロボッツへスポンサードするのかをひも解く。かつてナイキでマーケティングも担当していたからこそ見える”なにか”をインタビュー。


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